水龍の洞窟

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音もなく、そいつは突然目の前に現れた。 一瞬でパニックに陥り、出口に向かって走り出す。出口は遠く、足元の水は重かった。 大きな音がして身体が背中から撃ち抜かれる。 痛みと共に理解した。俺はここで死ぬ。嫌だ。こんな虫けらみたいに。 龍を見ると、興味もなさそうに進行方向へ顔を向けた。 ああそうか。ここは奴の家で、俺は侵入者。俺はただの虫けらなんだ――。